線形計画法とMIP
制約の中で、よりよい組合せを選ぶ
線形計画法は、限られた人・設備・材料をどこへ配分するかを、目的と制約に分けて考える手法です。
生産量や配分量だけでなく、設備を使う・使わない、担当者を割り当てるといった離散的な判断を含む場合は、混合整数計画(MIP)を使います。
基本構造
線形計画法では、次の三つを明確にします。
- 意思決定変数:何を決めるか。例は製品別生産量、工程への配分量です。
- 目的関数:何を最大化・最小化するか。例は利益最大化、費用最小化です。
- 制約条件:守るべき上限・下限。例は設備能力、材料、人員、需要です。
変数、目的関数、制約条件が一次式で表され、変数を連続量として扱える問題が線形計画法の基本です。最適値が得られても、前提や入力値が現場と合っているかを確認しなければ、実行可能な計画にはなりません。
MIPが必要になるとき
MIP(Mixed Integer Programming、混合整数計画)は、一部または全部の意思決定変数に整数条件を加える方法です。例えば、次の判断は連続量だけでは表せません。
- 設備を導入するか、しないか
- 製品をどのラインへ割り当てるか
- 作業者をどのシフトへ配置するか
- ロットを何回生産するか
0か1で表す二値変数を使えば、設備の採否や工程の選択をモデルへ組み込めます。生産量のような連続変数と、採否や割当ての整数変数を同時に扱えることがMIPの特徴です。
進め方
- 現場で決めたいことと評価指標を言葉で整理する
- 意思決定変数、目的関数、制約条件を定義する
- 採否、割当て、回数に必要な整数条件を設定する
- 入力データと制約が実態を表しているか関係者と確認する
- 解を現場条件へ戻して、実行可能性と感度を確認する
数理的な最適解をそのまま採用するのではなく、需要変動、段取、安全、品質、保全など、モデル外の条件も含めて意思決定します。
適用例
- 製品別の利益と設備能力を踏まえた生産数量の決定
- 複数工場・倉庫への品目割当てと輸送量の決定
- 設備投資の採否と生産能力の組合せ
- ロットサイズ、段取回数、在庫費用を考慮した生産計画
留意点
- 目的関数を利益や稼働率だけにすると、納期や品質を損なう場合がある
- 制約の漏れや入力データの誤りは、もっともらしい誤答を生む
- 整数条件を増やすと計算負荷が高まり、大規模問題では時間を要する
- 一つの入力値に依存しすぎず、需要や能力を変えた感度分析を行う
- 最適解と、現場で継続運用できる解を区別する
関連Knowledge
参考資料
CHECK
理解度チェック
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